今回は、おススメ本のご紹介です。
同じコミュニティーに所属している、成田直人さんが出された、『「使えない部下」はいない』。コロナ真っただ中の4月に発売された書籍です。
コロナ第2波が心配されつつも、リモートだった仕事が通勤に戻り、飲食店なども再開しています。今年の4月の新入社員も6月になって、初めて直接顔を合わせた!なんて会社もあるのではないでしょうか?
最初は困惑していたリモートワークも、すっかり慣れてしまって、出社したくない、通勤に戻るのは辛いという声も多く聞きます。何より、人事面でも「ムダ」が分かったなんてことがあったり、なかったり…。
「こいつ、実は使えなかった!」「あいつはやっぱり、使えない」なんて、もし、思っているのであれば、一度、本書を手に取ってみては?きっと考え方が大きく変わると思いますよ。
使えないのは本当に部下なのか?
本書のタイトル、「使えない部下」はいない、と言われただけで、ドキッとしてしまいます。あなたは日頃こんな風に感じていませんか?
●今時の部下は何を考えているのかわからない。
●こっちが指示しないと全く動いてくれない。
●あいつのために言ってんのに、話聞いてんのか!
上司あるあるですね。著者の成田さんはこれを気持ちいいくらいスパッと「部下が使えないのではなく、あなたが使えない部下を生み出している」と言っています。
本当にそうなのか?自分のやり方が正しいと信じて、長年頑張ってやってきた自分が、使えない部下を生み出している。なんて、信じたくないですよね。でも、どうもそうみたいです。
なぜでしょうか?
とっても簡単な理由です。時代が変わったから。あなたが正しいと信じてやってきた方法が、今の時代では、通用せず、古い考え方になったからです。
今昔物語
昔と今の学生の部活動で比べてみましょう♪
【水分補給】
<昔>
休憩時間になるまで、水分は一切とらせない。
<今>
こまめにしっかり水分補給する。
【朝練】
<昔>
授業前の朝練は当たり前、勝つためにトラック〇周!気合いと根性だ!
<今>
短い時間でパフォーマンスを上げるため、朝練は禁止!
会社員ならこんな感じです。
【会議】
<昔>
とにかく時間をかけて、全員でじっくり課題について話し合おう!
<今>
必要最小限の時間で、関係者代表のみ出席。チャットで済ませられるなら会議はなし。
【残業、休日出勤】
<昔>
死に物狂いで働けー!残業当たり前、休日だって必要なら出勤、文句言うな!
<今>
早く帰って、自分の好きなことをしたい。プライベートまで出勤とかありえない。
あなたの会社、今でも<昔>風かも?だったら、悪い意味でヤバイかもしれませんよ。
マネジメント2.0
では、新しい考え方って?まさか、部下を甘やかしたり、お客さま扱いしたりしろってこと?なんて考えているのであれば、ご安心ください。
本書は、マネジメント2.0の考え方に則って、どうしたら若い今時の部下たちが、主体的に動いてくれるかを解説してくれています。
マネジメント2.0とは、ネットで調べるといろいろ難しく出てくるのですが、統合すると、会社全体の大きな目的にベクトルを合わせつつも、それぞれ個人が自分の意志に基づいてその目的を遂行する。つまり、各自の意思決定によりそれぞれが、自分の役割と連携を考えて、目的を目指すということです。
マネジメント1.0は、指針があって、それに全員が従い、言われた通りの道筋で目的を目指すということです。ということは、マネジメント2.0は、若い部下にも自分で考えて、自分の意志で仕事をしてもらうということになります。
これは、マネジメント1.0と比べると、ずっと難易度の高いことになります。ですが考えてみてください。部下がマネジメント2.0に則って成長してくれたら、会社はどうなるでしょうか?大きく成長すると思いませんか?
著者の成田さんは、本書のマネジメントメソッドで多くの大企業の業績を上げてきました。そうなんです、部下が成長すれば会社が成長するということは、業績が成長するということです。
アフターコロナの部下の育成
一度も出社せず、研修を終えてしまった新入社員。新しい業務を覚えてもらうのに、リモートで引継ぎをした部下。最初はリモートで研修や引継ぎなんて、できるのか?と考えていた人も、意外と便利に思ったり、直接対面よりいい面が見つかったりしたと思います。
もちろん、直接対面も大事です。中には職場に行って、いつもの席に座ってやっと仕事って感じがするって人もいるかと思います。ですが、育成に関してはリモートでも対面でも気を付けるところは変わりません。それは、育成はコミュニケーションだからです。
もちろん、スキルを伝えるのも育成ではありますが、スキルはマニュアルさえしっかりしていれば、いくらでも伝えられます。本書はスキルの伝え方が書いてあるわけではありません。どうしたらモチベーションが上がるか?どうしたら、自分の意志で仕事をしようと思ってくれるか?など、多くが日頃のコミュニケーションの取り方メソッドです。
まとめ
人々の考え方や価値観が大きく変わり、まさに時代の変革の中にいる私たちです。ですが、オンラインでもオフラインでも、ソーシャルディスタンスを大きくとっても、コミュニケーションは私たちが生きていくうえで、大切なスキルであることに変わりはありません。
部下だろうが、年下だろうが、彼らを尊重し、会社で世の中で大活躍するように育ってくれたら、きっとあなた自身もさらに成長し、自分の自信につながっていくと思います。
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目次
はじめに
第1章 なぜあなたの部下は「使えない」のか?
第2章 部下が戦力化するマネジメント2.0
第3章 部下がついてくるマネジメント2.0
第4章 部下が戦力化する声がけ
第5章 部下にやってはいけないこと
第6章 部下の成果が上がる方法
おわりに
著者 成田直人
ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役。19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得、22歳でPCデポにて7カ月で個人売上1億円を達成、2007年に小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社Family Smileを創業。年間200回・1万名以上をトレーニングし、受講生も累計10万名突破。クライアントの多くが昨年度対比120%を突破し、3年で売上3倍・利益25倍になるクライアントも出てくるなど、「良い」よりも「成果が出る」をモットーとした、現場型研修・コンサルティングには定評がある。現在は、現場職を指揮監督するマネージャー・リーダーに対する研修も行っており、東証一部上場企業などを含む、250社20,000人以上に研修を行う。