9月に一人の女性がピンポーンと訪ねてきました。セールスではなさそうだけど、宗教かな?ちょっと怪しいと思いながらも、出ていくと「家計消費状況調査」のお願いでした。
総務省統計局の管轄らしく、国内総生産(GDP)の統計をとるのに必要なんだとか。で、その調査員さんがやってくれないかと、書類をもってやってきたんです。書類を読んで引き受けてもらえるかどうか後日確認に来てくれるという話で帰っていきました。
ところが、後日の訪問の時に「まず、これをお渡ししますね!」と渡されたのが、1ヶ月分の報酬である「図書カード」。「えっ?」って言っているうちに、やり方のマニュアルの資料を出して、ざっと説明後、分厚い資料を渡されて「お願いします。」といって爽やかに去っていきました。
いや、やるって言ってないけど…。っていうこれ、「返報性の原理」です。詐欺師や詐欺まがいの催眠商法などにも使われますが、マーケティングでもしばしば使われるテクニックの一つです。
返報性の原理とは、人から何か与えてもらったら、お返しをしなければならない、という心理が働くことです。一番身近なのが、食品売り場での「試食」です。全員ではないですが、試食したら買わないとっていう心理が働くことが、多くありますよね。
今回も図書カードを先に受け取ってしまったので、引き受けないとという心理が働きました。後から知ったのですが、この調査は5か月分あるそうで最初の1ヶ月分の報酬は、先に渡されます。後の4ヶ月分の報酬はすべて終わってから郵送されてくるそうです。
あの女性調査員さんでなくても、この調査自体が「返報性の原理」を使っていたということですね。上手くはまってしまいました。1ヶ月ごとに締め切りもあり、ネットでいろいろ報告しなくちゃいけないので、かなり面倒なんです。どれくらいの人数から統計を取るのかわかりませんが、全員から統計をとるのは難しそうです。
あなたの商品・サービスでもこの「返報性の原理」が使えないか、考えてみてください。マーケティングのいろんな本でも、紹介されている心理テクニックです。
でも、この調査のおかげでネットでお買い物したものが、先月いくらでいつ引き落としかなどが改めて分かって、それは良かったです。ネットのお買い物ってざっくりしか把握しないですからね。明確になるとムダ遣いも減りそうです♪
コンサルハウスHALUNO
余吾悦子