名著「7つの習慣」のまとめブログです。今回の第6の習慣は、「シナジーを創り出す」。私が7つの習慣をまとめるきっかけになったのは、コロナ禍で今まで以上に高いコミュニケーション能力が必要な時代になったと感じたからでした。
そして、7つの習慣の最終目的は、コミュニケーションを通した人生の成功です。コミュニケーションを通した人生の成功とは、第6の習慣である、シナジーを創り出すことです。
シナジー(相乗効果)とは?
シナジーとは、相乗効果です。複数の要素が合わさった時に、単体で得られる以上の結果を上げることです。1+1の結果が2ではなく、3にも10にも1,000にもなる可能性がある効果です。ここで言う結果とは、創造的な活動も含まれます。恐らくほとんどの人が、この相乗効果を体験していると思います。
例えば、学生時代の部活動やサークルで音楽やスポーツをしていた人は、一つの目標をみんなで目指した経験があると思います。そこでチームワークを発揮し、一体感や達成感などを味わったのではないでしょうか?一人では出せない力を、チームが一体となって出す力は、人数の何倍、何十倍にも大きな力となることを体感したと思います。
シナジーは奇跡ではなく日常
ところが、大人になってからはどうでしょうか?あなたは大人になってから、職場や家庭でシナジーを体感した覚えがありますか?
多くの人はシナジーを、特別な時期にのみ経験する非日常的なものと考えています。ですが本来、シナジーとは職場や家庭やその他の人間関係という、日常の中で普通に創り出すことができるものです。
想像してみてください。つまらないと思っていた会議で、会話も少なくなってしまったパートナーや子供たちとの関係で、いつの間にか御用聞きのようになってしまっているクライアントとの関係でも、シナジーが創り出せている場面を。学生の頃のような一体感や達成感を味わえ、大きな結果を出す場面は、日常でも体感できるのです。
シナジーを日常にする3つのチカラ
とはいっても、シナジーは「そうなんだ!日常に創れるんだ!」と思って簡単に創り出せるものではありません。
今までの第1の習慣から第5の習慣までの集大成になるので、最低限、以下の3つが必要になってきます。
1.個人の内的安定性
シナジーは予測不可能です。どこへたどり着くか分からない、曖昧な要素を含んでいます。サッカーチームのみんなで試行錯誤しながら練習を積んできても、必ず勝てるとは限りません。結果に左右される人間性であれば、シナジーを創り出すことは難しくなります。
第1の習慣から第3の習慣の「個人の成功」を意識していなければ、個人の安定性は得られません。明確な結果が欲しい!得られるものを約束してほしい!と思うと、創造的な活動は不安でしかたないことになってしまいます。
どこへたどり着いても、楽しめる自立した内的安定性が必要不可欠です。
2.オープンな態度で話し合える場
第4の習慣から第5の習慣の「Win-Winの関係」を築こうとする態度と、相手を理解したいという気持ちです。チームで何かを成し遂げる中にシナジーを創り出すには、信頼関係も必要です。
お互いの心をオープンに開いて、話し合える気持ちを持つことです。評価したい気持ちはそっと棚に上げて、安心して意見の言い合える場を設けましょう!
3.冒険的な精神で第3案を発見する力
何かを成し遂げるためにチームと信頼関係が築けたら、話し合いの冒険に出かけましょう!それは、お互いがどこへどう着地するかわからない、未知の世界に足を踏み入れることです。お互いがお互いを理解し、お互いに納得できる第3案が出るまで話し合います。
当然、個人の内的安定があり、相手を理解したい気持ちを持ちつつ、Win-Winの道を探ります。その時、出される答えは妥協案にはなりません。そこで出される答えは、関わる全ての人が納得できる、新たな「第3案」です。
例えば、夫婦で外食!夫は中華、妻はフレンチ希望なら、今日の所は日本食にする。企画書A案とB案で意見が真二つに分かれたのであれば、協力してC案を作ってもらうなど。第3案は必ず存在するという確信を持って、意見を交わすことができます。
マイナスシナジー
ところが、個人が自立しておらず、内的安定性に欠けていると、いつまでも自分だけのパラダイム(思い込み・考え方)が正しいとして、相手が違うパラダイムを持っていることを忘れてしまいます。相手を自分と同じ考えに仕向けようとします。
当然ですが、第3案は生まれません。中華かフレンチかの二択、企画書A案かB案の二択しかないと決めつけると、どちらかが勝ち、どちらかが負ける関係になってしまいます。
私たちは、いつの間にか日常をこのように、常に二択しかない状況にしてしまいます。やるかやらないか?良いかダメか?AかBか?などですね。それは一見、勝者と敗者が存在するような気がしますが、家族だったり、同じ職場で働く人だったりという具合に「チーム」なのであれば、お互いが可能性を下げる結果になることが多いです。
勝敗からは、勝った!負けた!以上の可能性も創造性も見出せません。一人の人間がたとえ、10の可能性を持っていても、もう一人が0(ゼロ)以下であれば「10×0=0」「10×-1=-10」です。
つまり、チームで二択しかない状況にしてしまうと、勝者が存在しなくなります。
これは、チームの前に個人としても言えます。自分自身が自立した人間であれば、AかBかで迷ったときに、新たな可能性の第3案を自分の中で創り出せるのです。でも、あなたがマイナスなら、あなたが関わるチームはすべてマイナスの結果になってしまいます。
違いを楽しむ
マイナスにならないためには、個人の内的安定性が重要です。第1から第3の習慣を強化して、私たちが最も忘れがちな「パラダイム(思い込み・考え)は人それぞれ」ということも、頭に入れておきましょう。
2人の人間が、もし全く同じ意見を持っていたとしたら、1人は不要です。この世は、100人いたら100通りの世界が存在します。私たちはみな、違う考えや視点を持っています。それを受け入れ、尊重する気持ちで意見を聞くことが大切です。
違う意見があり、それに耳を傾け、尊重し、そして自分自身も意見をしっかり持った状態で話し合わない限り、第3案は出てきません。自分の意見が正しいからと言って、相手の意見が間違っているとは限りません。どちらも正しい、どちらも間違っていないということは、往々にしてあります。
あなたと違う意見の存在を知ることで、あなたは成長し、あなたの世界は広がります。あなたとは正反対の意見を言う人がいたら、それを喜んでみましょう!賛成する必要はありません。「よかった!違う意見ですね!ぜひ!聞かせてください!」シナジーはそんな意見の交わしあいから、日常的に創られるものです。
まとめ
あなたが意識して影響力を10に近づければ、たとえチームを組む相手の影響力が2とか3でも、シナジーは発揮されます。もちろん、あなたが相手を理解したいという気持ちで相手に影響を与えれば、相手の数字が高くなり広く、大きな結果となって反映されます。
しかも、シナジーはそんな単純な計算式では片づけられません。お互いの強い信頼関係やWin-Winへの思いで、10倍にも100倍にも大きくなる可能性もあるんです。これは、仕事でも家庭でもその他の関係でも同じです。
7つの習慣の本当の力は、個人の自立を土台とした人間関係で創り出される、プラスのシナジー(相乗効果)が一人では出せない大きな力に育ち、特別だった達成感や思いもしない大きな結果が、日常になることかもしれません。