「量より質」という言葉はよく聞きます。あなたのスタッフの働きも、商品もサービスも質が高ければ、言うことないですよね。営業トークの質だって、良ければ成約率も上がります。商品もサービスも質が良ければ、お客様の満足度も高いです。
でも、最初からそんなに上手くはいかないですよね。スタッフだって、最初から素晴らしい働きをする人なんてほとんどいません。商品、サービスもお客様の反応を見ながら改良に改良を重ね、満足度を高くしていきます。
もちろん、「量より質」という言葉が当てはまるものもはいくらでもあります。でもそれは消費者側のための言葉です。例えば、高級焼き肉店に行けば、当然お客様は量より質を求めて来店しています。恐らくですが、高級焼き肉店なのに、「なんでこんなちっちゃい肉がこんなに高いんだっ!!」というお客様はいないと思います。もちろん、味が確かなのが前提ですが。
なんとなくよく聞くので、世の中のすべてが量より質だと思ってしまう傾向にありますが、それは間違いです。提供者側、私たちビジネスをしている側からすると一部を除いて、ほとんどは質を上げるためには、量を追求しますよね。商品やサービスを提供する側からしたら、「量より質」なんてのは叶わぬ夢です。
ある大学でこんな実験が行われました。
同じ大きさの木片を星形に彫刻刀で彫るという作業を、2グループに分けて行います。木片には星の印がついているので、印をなぞります。Aグループは質重視。とにかく丁寧に、印をはみ出さないようにとお願いします。Bグループは量重視。はみ出してもいいので、とにかくたくさん作るようにとお願いします。1週間続けてもらい、最終日に一定の時間内で、同じ作業をしてもらい、質、量ともに優れているのはどちらかを確認しました。
結果、量はもちろんBグループが圧勝でしたが、質もBグループが勝っていました。
私たちは繰り返して失敗することで、学んでいきます。何度もやっていると、さっき失敗した所こうしたらいいんだと、繰り返しの中で勝手に自分で改善していきます。それには「量」が絶対的に必要です。
もし、あなたの部下が何かで困っていたら、まずは量をやってもらいましょう。例えばアポが取れないのであれば、1日の訪問先数や電話数などアプローチ数を一緒に決めて少しずつ、増やしていきます。数をこなせば、要領が分かってくるのもありますが、何が問題なのか分かってきます。最初のアプローチの仕方なのか、アポイントの取り方なのかなど。
あなたが通ってきた道です。部下、特に新人にはまず「量」をやってもらいましょう!でも、無理のない所から少しずつ増やしてあげてくださいね。
コンサルハウスHALUNO
余吾悦子